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南ア共和国・ヨハネスブルク在住
長野康彦

副大統領の「汚職疑惑」

 今、南アフリカの国中が注目している話題がある。外国からの武器購入に絡む副大統領の汚職疑惑だ。南ア国防軍が戦闘機や軍艦など、軍備を増強するにあたり、フランスの兵器ディーラーが副大統領に巨額のわいろを贈ったというものである。

 この疑惑は、事実の可能性が濃厚であるにもかかわらず、裁判で副大統領を有罪に持ち込むまでの証拠が不十分で、検察がいったんは告訴を断念した経緯がある。

 それが今月に入って、疑惑のカギを握ると言われる人物(副大統領の前財務顧問)の詐欺と汚職に関する裁判が始まったため、急にメディアは色めき立った。この人物が有罪となれば、副大統領も窮地に追い込まれる。

 しかしながら、この副大統領は黒人の間では根強い人気があり、ムベキ大統領の忠実な部下でもある。日本ではちょっとした失言でも政治家はすぐに辞任してしまうが、アフリカは違う。謝罪など絶対にしないし、自ら辞めることなどめったにない。殺人教唆や詐欺で有罪となったウィニー・マンデラ(マンデラ前大統領の前夫人)がそうだ。しかも有罪となっても実際、刑務所に入ることもまずない。なんだかんだで結局、特別待遇される。有罪だろうが無罪だろうが、黒人間では不変の人気があるのだから仕方がない。今回のケースも、結局はそうなってしまうのだろうか。


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