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ロシア・モスクワ在住
宮川貴之

高まる日本への関心度

 映画「ラスト・サムライ」がここロシアでも大ヒットし、日本に対する関心が高まっている。

 まず日本食レストランが大盛況だ。ロシア語で「スシバー」と書かれた店が、モスクワ市内にたくさんある。あるレストランでは黒っぽく丈の短い、浴衣とも着物ともつかない奇妙な服を着た丁稚奉公風のロシア人が、精いっぱい日本らしい雰囲気を醸しだす努力をして給仕してくれる。すしの味は悪くはないが、微妙な握り加減、絶妙な味の調和など、すし本来の奥深さはほとんどない。

 また、歴史博物館では日露戦争時の両国の軍服が展示されていた。ロシアの軍服はその時代のしかるべきものであったが、日本の軍服はなぜか鎧、兜であった。

 ショッピングモールなどでは衣料品や寝具に漢字が施されたものが店に並んでいる。ときどき大胆に漢字が逆さになっているものも見かける。あるテークアウト専門のすし屋では、看板に摩訶不思議な漢字が書かれていた。それは四文字からなっていて、「朝」の偏(へん)の字、次に「乞」「木」「不」と、これらが縦に書かれていた。しばらくじっと考えた。これはなんと読むのか? ロシア語で示されていた言葉から理解できた。それは「乾杯」という名の店だった。数日後その店名が「四季」と変わっていたのは幸いだった。日本に対する認識が正しく深まってくれることを願うばかりである。


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