フィリピン・マニラ在住
梅垣知博
教科書に大量の誤り判明
このほど、国が検定した教科書に四百三十一カ所もの誤りが指摘され、比教育省が調査に乗り出した。大量の誤りが見つかったのは、高校二年生用「マカバヤシ(愛国科目)教科書の「アジア 過去・現在・未来」で、比国内で百十万冊が使用されている。
発見したのはマニラ首都圏ケソン市の私立学校のカリキュラム担当職員で、地元英字紙に文法、史実などの誤りを指摘する意見広告を掲載した。
この教科書は一九九七年に採用され、約五千の高校で使用されている。同省次官によると、教科書の検定手続きはロコ・デヘスス両元長官時代に改善されたが、今回問題になった教科書はそれ以前に承認されたもの。
同省では、教科書の発行部数の膨大さに加え、二〇〇五年に教科書が新規採用されるため、取り替えはせず、教師に正誤表を配布する方針を出している。
フィリピンはスペイン、米国、日本と四百年近く外国の支配を受けてきた。そのため、言語や文化による誤解や、独立を求めての反乱や革命などで事実を隠さざるを得ない事情がある。
現在でも大学教授や歴史家によって研究が進められているが、ルソン島以外の地方史なると、残された手紙や資料も乏しく調査も進まないのが現状だ。
また、各地に住む民族が独自の言語を持っており、調査が進むほど教科書の書き換え個所が増えていくことになるだろう。