米国・ニューヨーク在住
内藤 毅
熱くなる米大統領選挙
「暑さ寒さも彼岸まで」と言われるが、ニューヨークではこのところ、肌寒い日が続いている。もうしばらくすると、東海岸北部は紅葉が美しい時期を迎える。赤や黄色に衣替えした山脈が、秋特有の澄んだ日差しに照らされ、数百キロにわたって続く黄金色に輝く風景は壮大そのものだ。
一方、この秋は米大統領選挙という四年に一度の大イベントが待っている。こちらのほうは、秋が深まるにつれてどんどん熱くなっていく。
支持率の差が決定的な状態になっていない現在、ブッシュ、ケリー両陣営はしのぎを削り、相手候補の失言・失態があれば、すかさず酷評。うかうかすると、取り返しのつかない状態が待っているだけあって、両候補は文字通りの「死闘」を展開中だ。
熱い空気は選挙関係者だけでなく、一般市民にも伝染している。最近、街を歩くと、ところどころで、各候補を応援する看板が民家の庭先を飾っている。中には、「誰が見るのだろうか」と思うような奥まった家でも看板を出している。
友人に聞いても、大統領を応援する側と挑戦者に感情移入する側ではっきりと態度が分かれる。特に、候補に対する好悪は冷静さを欠いているのでは…と思うほどだ。
とにかくこの熱狂、十一月二日の投票で決着を見る。残念ながら、このころには山々の紅葉時期はとうに過ぎている。