世界の街角便り
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韓国・ソウル在住
原田 一

廃品回収のおばあさん

 ソウルの街では、おばあさんたちがハンドキャリアーを引きながら歩き回っている。貧しい生計の足しにしようと、廃品回収をしているのである。

 うちも近所のおばあさんの「得意先」となっていて、玄関前に出しておけば、勝手に来て持っていってくれる。ある日、古いパソコンを出しておいたら、連絡もしないのに、明くる日にはなくなっていた。

 また、玄関先で物音がすると思ったら、そのおばあさんだった。暑いので、飲み物でもふるまおうとしたら、こんなことを言い出した。

 「この間は、いいものをありがとう。ほら、水に溶いて飲むやつよ」。実は、健康食品を買い、家が留守だったので、宅配便が玄関先に置いていったのを、プレゼントだと思って持っていったらしい。

 そのときは、配送品を紛失したということで大騒ぎになり、会社とうちと折半でもう一度送ってもらうことになったのだが、貧しいおばあさんにそんな話はできない。結局、残りの半分の代金も会社に送り、二倍払うことになったが、老夫婦への奉仕と思うことにした。

 それにしても、引っ越しなどをすると、どこからうわさを聞いてやってくるのか、実に早く飛んでくる。悪く言うと、ハイエナのようである。おかげで、ゴミを捨てる手間が省けるが、整理していないものまで持っていこうとするのには閉口する。


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