韓国・京畿道九里市在住
志田康彦
中国の「高句麗」自国説
最近、中国が韓国の歴史をわい曲しているニュースを耳にする。今まで韓国歴史の一部とされてきた高句麗(コグリョ、BC三七〜AD六六八)を中国の国だったと主張しているのだ。高句麗は高句麗、百済、新羅といわれる三国時代の一国で韓国史の重要な一部である。中国が主張するように高句麗が中国の歴史になってしまうと、五千年といわれている韓国の歴史の大半がなくなってしまうことになりかねない。
中国政府はすでに自国のウェブサイトで韓国紹介ページの高句麗部分を削除し、かなり意図的だ。韓国側の見解では、韓半島の統一後、現在中国の領土になっている高句麗だった地域で、統一韓国として領土返還が起きることを中国が恐れているとみている。朝鮮族が二百万人住んでおり、そういう動きは十分に予想される。中国側には高句麗遺跡をユネスコの世界遺産に登録する動きがあったが、今年中国と北朝鮮の両方が世界遺産に登録されることで、問題は一段落した。
ただ、中国側のこれまでの主張には多くの無理がある。しかし、学会の真剣な働きかけにも、いまだ韓国内では大きな世論となるまでには至っていない。与野党間では「過去史清算」の話題で毎日熾烈な論争を続けており、高句麗のことまで考えが回らないようだ。外国人の私が見ても、非常に重要な問題であると思われるのだが、どうしたものだろうか。