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ドイツ・ノイス在住
若山計雄

改札口がない電車の駅

 私はバス、電車、路面電車を乗り継いで通勤している。

 切符や定期券がないと、改札口を通れない日本では理解できないことかもしれないが、ドイツの駅には改札口がない。例えば、乗車券を持たない見送り人でも、駅の中ばかりでなく電車の中まで自由に入れる。

 各改札口に立つ駅員の人件費や、自動改札機を導入する費用が不要なので、なんと経済的なことだろう。私の町の中央駅は、プラットホームが八番線まである中規模サイズだが、駅の窓口に一人か二人の駅員が座っているだけである。

 でもそれでは、無賃乗車する人が多いのではと思ってしまうが、そうでもない。電車の中では係員が時々回ってきて検札し、そのとき乗車券や定期券を持っていないと、罰金を払わなければならないからだ。

 改札口がないのに、どうやって切符を切るのかというと、プラットホームの入り口に、小さな四角い機械があり、切符を差し込むと、日時が印字される仕組みになっている。その印字がないと切符は無効で、無賃乗車となってしまう。

 これは、国民が正直であって初めて成り立つシステムだと思う。それに、日本のラッシュアワーのような満員電車だと、係員も乗客も身動きできず、車内で検札するのは不可能だ。いつの時間帯でも空いていて、余裕を持って座れるドイツの電車だからこそ、成り立つのである。


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