ブラジル・マットグロッソドスル州在住
濱田純一
夏至知らぬブラジル人
いま南半球は真冬で、先週は三、四日、かなり寒い日が続いた。このあたりでも、最低気温がセ氏五度前後になるので、いよいよ冬本番というところだろうか。久しぶりに会った人には、「どう、今は日本も寒いのか?」と、あいさつのように聞かれる。「えっ、向こうは夏だから暑いよ」と返事をすると、かなり驚いたような顔をするのが面白い。ブラジルがこんなに寒いのだから、ブラジルよりも寒いはずの日本は、どのくらい寒いのか、と。
北半球では、夏至が過ぎてしばらくたつが、ブラジル人は一般的に『夏至』という言葉自体を知らない。和ポ辞典を調べると、夏至にあたるポルトガル語というのは存在するのだが、あくまでも北半球の国ポルトガルの言葉なのだろう。
たとえば、私のいる街は、赤道と南回帰線の間なので、日の一番長い日は一年に二度やってくる。これが南回帰線よりも南になると当然一回。さらに赤道より北に領土があるブラジルでは、逆の季節になってしまう。
しかも、北半球に行ったところで赤道付近なので、季節感はほとんどないだろう。つまり、赤道と南回帰線のどちらも含んでいるこの国では、夏至という言葉は、かなり複雑な意味をもつことが理解できる。こんな条件を含んでいる領土を持つ国は、ブラジル以外にはない。面白い発見だったかも。