ドイツ・ノイス在住
若山計雄
ボンの国立歴史博物館
先日、ボンの国立歴史博物館を訪れた。
第二次世界大戦後から今日に至るまでの現代史が、六つに区分され、それぞれにテーマがついている。一九四五年から四九年までが「過去の重荷とドイツ分断」、四九年から五六年までが「東西における創設期」、最後の八九年から現在までが「ドイツ統一と国際的責任」といった具合で、時代の移り変わりを見ることができる。
多くの貴重な展示物の中で、私の印象に残ったものを挙げると、西ドイツの初代首相が乗った公用車。ベルリンが壁で分断されていたとき、当時のケネディ米大統領が西ベルリンで行った有名な演説の手書き原稿。米航空宇宙局(NASA)から贈られた、アポロ宇宙船が月から持ち帰ったこぶし大の石。八八年のソウル・オリンピックで、当時の東ドイツの水泳選手が一人で獲得した六個の金メダル。
また、歴史的記録が音声と映像で展示されている。実際に旧西ドイツ国会で使われていた議員席に着き、当時の国会演説の映像を見ることもできる。この時代を生きて経験した人たちは、思い出を懐かしみ、子供たちは、歴史を学べるので、幅広い世代の人たちでにぎわっていた。
何よりも驚いたのは、入場料が無料だということだ。団体客にはガイドが付き、ワイヤレスマイクでの説明を、各自がイヤホンで聞きながら全館を回ることがきる。それも、もちろん無料である。