韓国・ソウル在住
京谷訓浩
人質殺害事件で“激震”
韓国の人々の目が六月二十一日、テレビにくぎ付けになりました。イラクでカナ貿易職員の金鮮一氏(33)が武装グループによって拘束されたのです。
政府の努力で、二十二日にはまだ安全であることが確認されたとの報道に国全体に希望の光が差し込んでいましたが、二十二日深夜、拉致された金鮮一氏が斬首され遺体で発見されたという、韓国を激震させる報道が入りました。
四月には日本人の人質五人が無事解放されましたが、韓国のマスコミはこの点に注目し、分析をしています。
報道では、武装グループの性格が日本の場合は宗教色が濃かったのに対し、今回は極めて政治的性格の強い勢力とのことです。
また、日本人人質はイラク国民に友好的な活動をしていたのに比べ、金さんは米軍部隊に食料を納品する会社職員だったという点も解放交渉に不利に作用したと推定されています。
事件後の数日間は、政府への責任追及は激しいものでした。外交部が在留国民の安全に無関心であったことがやり玉にあがっています。
二十三日の夜には、ソウルの光化門で、三千人もの市民が集まり、「故・金鮮一さん追悼およびイラク派兵反対」キャンドル集会が行われました。最後に、金鮮一氏の冥福をお祈りするとともに、テロに憤慨した韓国の方々が暴発しないよう願う次第です。