フィリピン・マニラ在住
梅垣知博
物価上昇し厳しい雇用
原油価格の高騰で市民の足として利用されているジプニー(乗り合いバス)とバスの料金が十二日から引き上げられた。そのため、ジプニーの初乗り料金が四ペソ(一ペソ=約二円)から五・五ペソ、バスの基本料金が四ペソから六ペソになった。利用者の反応も「仕方がない」とあきらめ顔。食品などの物価も上昇し、「節約し、できるだけ安いものを探す」と話す主婦も多く、庶民の台所を直撃している。
それに追い打ちをかけるように、四月の失業率が前回調査の一月と比べ二・七ポイント増の13・7%と悪化。例年四月は、大学生や高校生が就職活動を行う時期で失業率は高くなる。失業率が改善していないとの指摘に対し、労働雇用省は「政府は過去一年間で百十万人分の雇用を創出したが、新たに約百九十万人が労働市場に加わった」と釈明している。
国内の雇用は飽和状態で海外へ出稼ぎ者も増えそうだ。しかし、ここでも中東情勢の悪化で、出稼ぎ者の多くが帰国を余儀なくされている。新たな出稼ぎ先として英語圏で治安が安定しているオーストラリアやカナダへの渡航希望者が増えている。
不完全就業者も五百八十万人に上り、毎日仕事がある人ばかりではない。しかし、人は食べないと生きていけず、食堂などは食事の時間帯になるとどこも満員。その代わり、いつもはぎゅうぎゅう詰めで走るジプニーが少し余裕があるように見える。