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中国・香港在住
下根 森

屈原ゆかりの龍船競走

 今月二十二日(陰暦五月五日)には、端午節に祝う世界的に有名な行事として「龍船競走:ドラゴンボートフェスティバル」がある。

 苦心して飾り付けされた長い龍船(標準サイズで十メートルぐらい)で、二百五十〜千メートルの距離を競走する。龍船一艘に乗る定員は二十二人で、「舵係一人」「太鼓係一人」、そして「漕ぎ手二十人(二列で十人ずつ)」。漕ぎ手は体力と一体化を要求され、日ごろから鍛え、トレーニングを重ねていないと入賞は難しい。川べりで応援する人、テレビで観戦する人、毎年総勢百万人を超える人々が祝う。

 この行事は、中国の英雄「屈原」の愛国心を記念して行われる。屈原は二千四百年前の楚王朝時代の大臣で、庶民からとても愛されていた。腐敗した政府の役人に王室から追い出され、落胆した屈原は地方をさ迷い歩き、母国への愛を公言するために詩を作った。そして、腐敗した政府に対する最後の抗議として川に身を投げた。地元の漁民らが船を漕いで救出しようとしたが、手遅れだった。そして、彼の死体が川魚に食べられないように、櫂で水面を力強くたたき、船中から「ソング」(もち米、大豆、豚肉、卵の黄身を大きな竹の葉で包んで蒸した食べ物)を川に放り込んだ。

 今では「ソング」を川に放り込む代わりに、ドラゴンボートフェスティバルを熱心に観戦し、「ソング」を各家庭で食べて祝う。


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