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南ア共和国・ヨハネスブルク在住
長野康彦

高すぎる自動車の価格

 南アフリカはアフリカ諸国中、最も物価が高い国の一つで、外国の人たちを驚かせる。

 例えば車。公共交通機関が未発達なこの国で、車は必要不可欠なものだが、同じ車種の新車を海外での販売価格と比べるとかなり割高だ。

 そこで中古車販売が活況なわけだが、新車価格に引きずられてか、中古車価格も割高感が強い。ガタが来て、廃車同然の車が日本円にして何十万円という値段で売られている。

 車の新車価格を不法につり上げているとして、南アの裁判所はこのほど、トヨタ自動車に罰金千二百万ランド(約二億円)の支払いを命じた。トヨタ側は支払いに応じたものの、価格が下がる気配はない。自動車業界は与党アフリカ民族会議(ANC)の重要な献金基盤であるため、政府は強い態度に出られないのだ。ドイツ系の各自動車会社も値下げはしないと断言している。

 聞くところによれば、新車購入の五割近くが法人によるものらしい。個人と違って企業は、経費で落とせるので、割高でもあまり気にしない。企業需要でコンスタントに売れるため、販売会社は値段を下げない。かくして、車が欲しい国民は、強気なディーラーの提示価格で買わざるを得ない。どこまでも売り手市場というわけだ。

 不買運動でも起こさぬ限り、新車・中古車を問わず、価格は今後も高止まりが続くだろう。


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