ドイツ・ノイス在住
若山計雄
日帰りでケンブリッジへ
私の勤めている会社では、毎年四月に社員総会が行われる。いつもどこかへ一緒に出かけて、午前中は会議、午後はレクリエーションで一日を過ごす。去年は初めてドイツを離れ、オランダへ行った。外国ではあるが隣国なので、バスで一時間あまり走っただけで着いた。
今年はなんと飛行機に乗り、日帰りでイギリスまで行くことになった。ケンブリッジに子会社があるので、その町で行うのだ。
海を隔てた外国ではあっても同じEU圏なので、ドイツ人はパスポートが不要で、IDカード(身分証明書)を空港で提示するだけでいい。私はそういうわけにはいかないが、パスポートに出国のスタンプが押されるわけでもない。わずか五十分で到着し、海外旅行なのに何の手荷物も持たない社員も多く、ドイツ国内の近くの町へ来たような気軽さだ。
会議が終わり、午後はお待ちかねの市内観光。ケンブリッジは大学で有名だが、実は三十一のカレッジからなっている。そんなガイドの説明を聞きながら、由緒あるキングス・カレッジのチャペルを訪れた。
その後、船頭が長い棒一本で操るパントというボートに乗り、町の名前の由来となったケム川を下る。立ち並ぶカレッジの古い建物と緑の深い芝生の間を、ボートは静かに進んで行く。貴重な体験をした、有意義な一日であった。