フィリピン・マニラ在住
梅垣知博
都市部で深刻な水不足
今年に入り、マニラ首都圏の水需要97%を賄うアンガットダムの水位が下がり続けている。乾期も後半に入った四月半ばには、警戒水位の百八十メートルを割り込んだ。原因は、昨年の雨期の十月に例年の30%、十二月に50%しか降雨がなかったためだ。
政府は市民に節水を呼び掛け、渇水対策として人工降雨作戦と五千万ペソ(約一億円)の井戸掘削事業を開始した。テレビでも盛んに給水タンク車から市民に水を配っているアロヨ大統領の政府広報CMが流れている。人工降雨作戦は、水源地上空でドライアイスをまき、人工的に雨を降らすというもの。今年二月にダムの水位が少し上昇したが、国家水資源委員会ではこの作戦の成果と発表している。
だが、そんな節水対策にもかかわらず、スクワッター(不法居住者)が文字通り水を差している。例えば、スクワッターの住む道路わきなどでは、地面から水があふれている個所があり、そこから手おけで水をくみ、子供が水浴びをしている。水道管に穴を開け違法に取水しているのだ。また、この時期は空気も乾燥しているため、スクワッター地域などの密集地域では火事が多い。消火に使う水もかなりの量に上ると思われる。
都市に人口が集中し、特にマニラ首都圏では飽和状態で、今後も人口増加が予想され、水不足は深刻化する。現在、首都圏への水供給を確保するため、三つのダムが建設されている。
(梅垣知博・マニラ在住)