ドイツ・ベルリン在住
豊田 剛
人気ないドイツ語音楽
最近、音楽CDや映画DVDがめっきり安くなった。東映のゴジラシリーズが大手CDショップでわずか三ユーロ(約四百円)で売られていた。
その一方で、音楽業界は近年、違法コピーが出回っているため、業績悪化に苦しんでいる。ドイツでは、音楽CDの三枚に一枚がコピーしたものだという統計も出ている。
そんな中で、例外的に元気なのが国内アーチストだ。ここ数十年で、国内アーチストのCDシングルの売り上げが、米英など国外アーチスト合計の売り上げを初めて上回った。
それも昨年、民放各局が放送した「スター誕生」のテレビ番組のおかげ。
しかし、その内容を見てみると、ピンク(米)やカイリー・ミノーグ(豪)など英語圏の人気アーチストを意識したようなものばかり。どれも個性とカリスマ性に欠け、二番せんじ的な印象はぬぐえない。しかも、ほとんどが英語で歌っている。
一方、公共第一放送(ARD)は“ドイツ語限定”のスター誕生番組を放映した。しかし、視聴率がさっぱりだった上に、話題性もゼロだった。
私の主観だが、どうしても堅苦しく聞こえるドイツ語が、ポップ音楽には向いていないのであろう。それに比べ、クラシック音楽におけるドイツ語の響きは美しい。普段は誇り高きドイツ人も、ポップ音楽に関しては誇りを持っていないようだ。