エジプト・カイロ在住
鈴木眞吉
“白と青”のチュニジア
北アフリカの一国チュニジアには、白と青を基調とした建造物が至るところにあり、街全体に清潔で明るい雰囲気がみなぎっている。アラブ・イスラム国家だが、スカーフをかぶっている女性はほとんど見当たらず、ヨーロッパ諸国を思わせる華やかさがある。
青は、地中海と空の青さを象徴した伝統的なカラーだという。白は太陽の光をまぶしく反射して清潔さを強調している。
街全体を伝統的な白と青のみの建造物で埋めて保存し、地中海を高い丘の上から望むべく、一大観光地としてその名をはせているのが、首都チュニスから電車でわずか二十五分ほど北へ行ったシディ・ブ・サイドだ。街の入り口には、大きなサボテンが繁殖し、典型的なチュニジアン・スタイルの家並みが続く。陶器や工芸品、装飾品などを売る土産物屋がほとんどだが、絵を店の前に広げて、画家たちが集まるパリの雰囲気を醸し出している。丘の頂上付近には地中海とヨットハーバーが見渡せる野外喫茶店などがひしめき、絶景を前に、ひとときのぜいたくな気分が味わえる。
シディ・ブ・サイドに来る途中にあるのがカルタゴで、ローマ軍と戦ったカルタゴ軍の拠点・旧軍港跡やアントニウスの共同浴場跡、ローマ劇場跡など、ローマ時代の遺跡が各地に散在している。歴史に思いをはせながら見渡す地中海は、古代のロマンをほうふつさせてくれる。