南ア共和国・ヨハネスブルク在住
長野康彦
マンデラ氏の偶像化進む
ヨハネスブルクの高級地域として知られるサントン地区のショッピングセンター前広場に、このほどネルソン・マンデラ前大統領の銅像がお目見えした。高さは六メートル。サントン・スクエアと呼ばれていた広場はネルソン・マンデラ広場と改称された。
マンデラ氏は民主化の象徴として国民的人気があるから、文句を言う人などあまりいないと思うが、これじゃあ旧ソ連やイラクの指導者たちとやってることは同じだなぁ、と思ってしまう。
そういえば、マンデラ氏が所属していた現在の政権党・アフリカ民族会議(ANC)は、中国や北朝鮮、キューバや旧ソ連など共産国と非常に緊密な関係があった。共産主義思想がANC内部に浸透しているのは間違いないが、果たして銅像建立を正当化する理論があるのかどうか、あいにく私は知らない。
それにしても、死後、故人の業績をたたえて、というのなら分かるが、存命中から銅像を建てるのは理解できない。かようなお金があるのなら、少しでも貧困やエイズで苦しんでいる人々に援助すればいいのに、と思ってしまう。
ヨハネスブルク・ダウンタウンには昨年、「ネルソン・マンデラ橋」という大橋梁ができた。同氏の名前を冠した道路は全国にその数あまたである。そのうち、学校や空港など、国中いたる所に同氏の名前がお目見えする日も近いかもしれない。