韓国・ソウル在住
原田 一
鉄板上でつくるアイス
ソウルの中心街、明洞(ミョンドン)で、珍しい食べ物が売り出された。それは普通の倍以上の高さのソフトクリームで、寒い冬であるにもかかわらず、長い行列ができている。
学生時代、数学で習ったように、円錐は高さが二倍になっても体積はそれほど増えないのだが、一見すると量が多いように見えるので、ついつい引き込まれてしまう。
先日、またもや行列ができていたのでのぞいてみると、珍しいものがあった。鉄板の上に生ジュースのようなものを注ぎ、お好み焼きのようなヘラで手早くかき混ぜていった。すると、みるみるジュースは固くなり、アイスクリームになってしまったではないか。
名前は「鉄板ピビンアイスクリーム」というが、「ピビン」というのは、「混ぜる」という意味である。ホテルなどでは、アイスクリームにお酒を垂らし、それに火をつけて見せる「鉄板アイスクリーム」というのがあるが、それとはちょっと違う。
普通の鉄板焼きはガスで熱するのだが、これは逆にステンレス製の鉄板の下に液化窒素があり、強烈に冷却するらしい。化学の原理をうまく商売に利用しているのには感心した。
この鉄板ピビンアイスクリームは、普通のアイスクリームに比べてちょっと高めの二千ウォン(約二百円)であるが、見ながら待つ楽しみがあるので、この夏にヒットするかもしれない。