韓国・京畿道九里市在住
志田康彦
大統領弾劾訴追で緊迫
憲政史上初めての「大統領への弾劾訴追案」が十二日、国会に提出・可決され、盧武鉉大統領は議決書を秘書官を通じて受け取り、大統領権限が正式に停止、高建首相が大統領職務代行に就任した。韓国の政局は台風前夜のように緊迫した雰囲気につつまれている。
盧武鉉政権が誕生してからまだ一年しかたっていないが、歴代の政権がなし得なかった政・経・検の癒着関係断絶を掲げ、あらゆる圧力にも屈せず推し進めてきた。結果は大統領への弾劾が出るほど、政界を混乱の渦の中に陥れてしまったが、私は韓国社会が正常化するまでの生みの苦しみではないかと思う。
ただ、国民の大半は、この弾劾を行き過ぎとみており、弾劾に対する反発感は大きい。「国会で決議することは、もっと他にたくさんあるだろう」と、政党の無責任な行動に対してかなりの憤りを持っている。また、重鎮の汚職が次々に暴かれ、クリーンさを売り物にしてきた盧大統領に対し、失望の念を抱いている。
今回の弾劾訴追で、憲法裁判所の審判が決定するまで首相が大統領の職務を代行するとはいえ、国内外、特に外交、中でも北朝鮮関係に及ぼす影響は大きい。
今後、この局面を知恵深く乗り越えるために、国会議員の良心に期待したいのと盧大統領が推し進めてきた改革の風が、ここでとどまらないことを祈るばかりだ。