ブラジル・マットグロッソドスル州在住
濱田純一
移民の国の不思議な魅力
紫水晶はアフリカ、中国などでも採れるが、一番緻密な結晶構造を持つといわれるブラジル産が有名だ。水晶のある岩石層から、天然の水晶を注意深く掘っていき、中が空洞になっている水晶の塊を割って、初めて中の状態が分かるという。
先日、サンパウロでこの紫水晶を扱う卸売り店に友人とともに立ち寄った。大通りに面した大きな店の扉を開けると、一階には所狭しと、大小さまざまな形の紫水晶が並んでいる。
二階には、紫水晶の細工のほかに、南米大陸から主に採られた原石と、その細工が展示してあり、ブラジル全土のみならず全世界に送られているようだ。私の目を引いたのは化石。直径五十センチ以上の天然の木が、そのまま化石と化したもので、それをカットして人の座る腰掛けの大きさにしたものなどが並んでいる。
さて、いいニオイが漂ってきたので尋ねたら、「上でシュラスコ(炭焼き肉)を用意しているので、昼食を食べていってください」と言う。このあたりがブラジル人気質で、オーナーなどといろいろと話しながら食事をした。オーナーはスペインからの移民で、その横の人はイタリア移民の広告業者だった。永住権も取れたことだし、私もこの人たちのように、真のブラジル人として普通に働きたいものだ、と思った。移民の国には、不思議な魅力がある。