ブラジル・マットグロッソドスル州在住
濱田純一
農業大国の潜在的“力”
一面に広がる緑のじゅうたん。南米大陸のど真ん中、わが州からお隣のパラグアイにかけては長年、日系資本と技術が投入され、セラード(赤土の大地)が見事に世界有数の穀倉地帯として変貌を遂げた地域である。
北に八十キロほど行ったマラカジュ市から、ここドゥラドス市を経て、さらに南側に点在する衛星都市にかけては、大豆やトウモロコシの畑が地平線まで続く田園風景が偏在する。三色のブラジル国旗は、大空の青とこの緑、富を意味する黄金の色からなっている。
先日公表された昨年度の貿易収支で、ブラジルは二百五十億ドル近くの黒字を計上した。中でも40%超の増加となった大豆は、25%増の原油を抑えて、成長輸出品目のトップとなった。
自然保護政策の下、ごくわずかな限定地域にしか工場を建設できないこの地域では、周辺の大規模農業にかかわる仕事がほとんどと言っていいが、近年北米での農作物不作の影響などもあって、大豆などの国際価格は高騰、地元業者にとってはまたとない追い風が吹いている。
さらに、インド産の白い牛は、天然の牧草のみで飼育され、狂牛病などの心配は全くなく、世界市場への需要拡大も有力視されており、鳥インフルエンザでいよいよブラジル産の鶏肉も、先進国が頭に入れだしているのをみると、この地域の潜在的な可能性を思い知らされる。