エジプト・カイロ在住
鈴木眞吉
クリスマスが「休日」に
クレオパトラが最後の女王となったプトレマイオス朝の滅亡後、エジプトはローマ帝国の支配下に入った。その後ビザンチン帝国下となり、聖マルコによってもたらされたとされるキリスト教(単性論=イエスの神性みを強調、異端宣告を受ける)は「コプト教」と呼ばれ、エジプト全土に広まった。七世紀にアラブ・イスラム軍が進出、次第にイスラム教化が進むが、九世紀ごろまではコプト教が多数派であった。次第にそれが逆転して、現在ではエジプト人口の約一〇%程度にまで趨勢が下降してきたいる。
コプト教のクリスマスは年明けの一月七日のため、十二月二十四日から二十五日にかけてのクリスマスを祝う教会は、カトリックやプロテスタント系に限られる。一割のクリスチャンのさらに一割がいるかいないかの人々が祝うので、あまり目立たない。花屋さんや装飾品店にツリー用のもみの木やサンタクロース、十字架、色とりどりのローソクなどが並び出す程度で、欧米各国や日本などの華やいだクリスマスの雰囲気とは程遠い。
今年びっくりしたのは、一月七日に国家の休日だったことだ。エジプト政府がキリスト教とイスラム教の融和のためクリスマスを休日にしたのだ。実は去年から休日化されたという。イスラム教国家がクリスマスを国家の休日にすることは一つの「英断」だろう。英断が生かされることを念じたい。