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ドイツ・ベルリン在住
富田武史

新制度控え混雑する病院

 最近、体調が悪くなって、約一年ぶりに病院に行った。これまで、ドイツの病院ではどんなに待っても三十分程度で、迅速な手続きには感服していた。ところが、今回は一時間半も待たされた。

 子どもの診察の予約をとろうとしても、今年はいっぱいでダメだと言われた。今はどの病院も満員だそうだ。どうしてなのかと思いきや、一月から新しい医療制度が施行されることから、その前にどうしても治療を終えたい人であふれかえっているのだ。

 来年からは、通院手数料を払うほか、入れ歯の治療、眼鏡に保険が利かなくなるだけでなく、多くの補助金が削減される。それでいて、保険料は下がらない。患者の負担はかなり増加する。

 ドイツ健康保険のサービスが減ることになるが、そもそもドイツの健康保険は寛大すぎると思っていた。少し腰が痛いというだけで、リハビリ体操やマッサージのコースに通える。場合によっては転地療養に参加できる。ほとんどの場合が個室で、リゾートホテル並みの施設がある。そのうえ会社から病欠手当までもらえる。

 だから、少しでも調子が悪いと思えば簡単に病院に行き、休みと薬をもらう。ある意味、健康的とは思えない。これでは公的保険が大赤字を計上するのも当然であろう。少しずつ脱社会福祉国家の方向に向かっていることを歓迎したい。


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