ウルグアイ・モンテビデオ在住
堀本幸伸
衆愚政治の「国民投票」
ウルグアイでは、国営の石油会社と民間企業との合弁に関する法案の国民投票が行われました。この法案は六年の長い歳月をかけ、専門家がいろいろな角度から検討し、石油会社の生き残りをかけた第一歩でした。
現在、石油関係はこの国営会社が独占企業として君臨しています。しかし、国際社会からの圧力で、数年後には自由化するしかなく、その布石として他社と合弁し生き残りを図るものです。ですから、この法案は与党も野党も賛成し、ほぼ全会一致で可決されました。
今回の国民投票は、左派の一部過激グループによる宣伝活動で実現しました。左派グループは法案の内容を、国営企業を売り飛ばすというような表現にすり替えてあおり、国営企業の存続を求める運動をしました。
もっとあきれたのは、テレビ討論会で左派の代表が、「このキャンペーンは個人的復しゅうである」と発言していたことです。国家の前途を憂慮すべき国会議員が、個人的復しゅうのために国民を欺き扇動して、最終的には国民に不利益になるようなことをしているということが、見ていて腹が立ちました。
今回の問題は左派の狡かつさだけではなく、国家が直面している本当の危機を伝えることができなかった他の国会議員にもあります。彼らもまた、自分の人気を気にして真実を訴えられない、所詮は政治家ではなく、政治屋でした。