世界の街角便り
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米国・ニューヨーク在住
内藤 毅

ひどすぎる“公衆道徳”

 東南アジアから米ニューヨーク市に転勤してから、一カ月がたった。学生時代もこの国にお世話になったことがあるのだが、十年ひと昔とはよく言ったもので、見るもの聞くもの、以前とは全く違う。変わらないのはマンハッタンの街角を行く人々の世知辛い表情だけだ。

 こちらに来て感じることは、「グローバル・スタンダード」を唱えながら、ニューヨーク市民の民度の低さには目をつぶる米国の不思議さだ。富を求めて世界万邦から雑多な人々が集まる土地だからそうなのかもしれないが、あまりにも公衆道徳がひどすぎるのだ。

 路上での歩きタバコ、ポイ捨ては日常茶飯事。中には葉巻をくゆらせながら道行く紳士もいる。ごみは平気で道に捨てるし、横断歩道に車を停止させたといっては、運転手を怒鳴りつける。こちらが外国人と見ると、なんとか金をぼったくろうとする物売りなど、私が住んでいたタイでもなかったことが次から次へと起こる。

 要するに「なんでもあり」。同僚の一人は「マンハッタンは人の住むところじゃない」と言っていたが、それも半分当たっているような気がする。

 しかし、こうした街に魅力を感じて、居ついてしまった日本人も少なくない。確かに日本と比べると、ここはギラギラした生命力が詰まっている。私もマンハッタンの“よさ”がわかり、染まっていくのだろうか。


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