南ア共和国・ヨハネスブルク在住
長野康彦
同性愛に厳格なアフリカ
米ニューハンプシャー州で今月二日、主要キリスト教派の聖公会(英国教会)で同性愛者のジーン・ロビンソン司祭(56)が主教に就任したことは、アフリカでも物議を醸している。
欧州の同教会では事態を比較的冷静に受けとめているようだが、アフリカ各国では「ゲイ主教」の誕生に非難の声が続出している。
英国教会世界七千万人の信者のうち千七百五十万人を抱えるナイジェリアは、アフリカでも同教会が最大勢力を誇る国。同国のピーター・アキノラ大主教は「同教派に損害をもたらすものであり、嘆かわしい行為」とする非難声明を発表した。
ウガンダ教会ではニューハンプシャー主教管区との関係を断つことを決定。ケニアのある司祭は「聖書に反する行為」として憤慨しており、米国の聖公会とは今後、いっさい関係を持たないと明言した。
アフリカ各国で唯一、肯定的に受け止めているのが南アフリカ英国教会。それもそのはず、南アでは人種差別という過去の反動から、およそ考え得るすべての差別を禁じているからだ。
同性愛に関しては本来、厳格であるべきキリスト教も、近年は「人権擁護」の声に押されて、その精神は弱体化ぎみ。それでもアフリカ諸国の大半のキリスト教者が同性愛に対しては依然、厳格な見方を持っていることを知り、やや救われる思いがした。