ドイツ・ノイス在住
若山計雄
公共料金に見る合理性
ドイツの各都市には普通、電気・ガス・水道水などをまとめて供給する市営企業がある。私の住む町にはアルミニウム工場があるので、一部の地域に暖房と温水を供給しており、その他に市バスの運営も行っている。こちらでは、物事が合理的にできていると思うことがよくあるが、公共料金もその一つだ。
電気・ガス・水道料金は当然、使用した量に応じて支払うことになる。ところが、各家庭に設置してあるメーターの検針は、年に一回行うだけで、ちょうど今ごろ、係員がやってくる。メーターは家の中にあり、もしその日に不在だった場合、はがきが郵便受けに入れてある。各自がメーターの数字を自分で調べ、書き込んで投函するのである。
毎月検針しないのに、どうして月々の料金が分かるのかと言えば、前年の使用量に基づき、前もって一年間の仮の料金が決められる。それを十一等分して毎月支払い、十二カ月目は調整の月となる。検針の後、実際に使用した量が少なければ返金してくれるし、逆に多い場合は、追加で支払う仕組みである。
各自の書き込んだ数字に基づき料金を請求するというのは、国民が正直でないと成り立たないし、それだけお互いを信頼していることになる。日本では電気、ガスなどは別の会社が個々に毎月検針していたのを覚えているが、それに比べるとドイツでは、ずいぶん人件費が節約されていることになる。