ドイツ・ノイス在住
若山計雄
崩れるアウトバーン神話
ドイツのアウトバーン(高速道路)の特徴といえば、まず速度無制限、そして何よりも通行無料が挙げられる。ところが、このアウトバーン神話が崩れようとしている。大型トラックから高速料金を徴収することになったのである。
隣の国オーストリアでは数年前に有料となり、とても簡単なシステムを導入した。十日、二カ月、一年と三種類の料金体系に分かれたステッカーを買い、車に張っておけば、その期間内は高速道路を走り放題である。
さてドイツでは、無償で配布されるOBUという測定装置を各トラックに取り付け、GPS(全地球測位システム)で各車の走行距離を自動的に集計し、料金を徴収する。実際に利用した距離の料金を正確に払うので、公正で何と画期的なことか。
しかしながら、いろいろと技術的問題が発生しており、なかなか準備が進まない。すでに当初の実施予定であった八月末日から、十一月に導入が延期されており、このままでは再度延期になるのではないかと、危ぶまれている。一カ月遅れるごとに、一億六千三百万ユーロの収入を失うことになるらしい。
逆に延期を歓迎する人たちもいる。OBU自体は無償だが、それをトラックに取り付ける費用は各自が負担しなければならず、高速料金の発生により、運送料を値上げすることになる運送業界では、当然ながらこの導入に批判的だ。