イスラエル・テルアビブ在住
野中 直
つかの間の「観光盛況」
この夏はテルアビブ・ビーチにパラソルが無数に開いていた。ビーチに活気が戻ってきた夏だった。ビーチの人の埋まり具合はイスラエルの観光がうまくいっているかどうかのバロメーターである。観光客が戻りつつある、という実感があった。実際、去年の八月と比べると74%も環境客が増大したという。
中東和平ロードマップが発表されて、アッバス首相の呼びかけで、各テロ集団がテロを自粛したのは効果があった。
ところが、世界の火薬庫・中東はそうそうたやすく安定してはくれなかった。九月七日にアッバス首相は辞任、ロードマップは振り出しに戻った。当然テロは再開、イスラエル国防軍の報復も再開した。国防軍はハマスやイスラム聖戦の幹部を殺害しようと躍起になっている。しかしなかなか捕まらない。
ビーチのパラソルは少なくなった。夏も終わりに近づき、海にはクラゲも出ていたからちょうど良かったのかもしれない。しかしこのいたちごっこを繰り返されたら、商売はあがったりだ。最近はビーチサイドのレストランも含めて入れ替わりが激しい。喫茶店にしても大型チェーン店の出店が目立つ。もう個人の資本では経営が成り立たなくなってきている。
イスラエルの経済はダイヤモンド、ハイテク、そして観光の三本柱で構成されている。特に観光はその国が平和でなければ成立することはあり得ない。