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イスラエル・テルアビブ在住
野中 直

建ち続ける“高層ビル”

 イスラエルは現在、景気が悪い。中東和平ロードマップが宣言されて以来、政情は安定してきているが、まだまだ景気が上向いたわけではない。

 ところが、テルアビブ市内では不思議なことに建設中の高層オフィスビルがたくさん立っている。その多くは国防軍本部周辺や、そこから鉄道駅に至る範囲、ダイヤモンドエクスチェンジセンター周辺などである。こんな不景気によくビルを建てるものだと常々思っていたが、実際にはビルのテナントが埋まることはほとんどない。建設中ということは、そのビルに入るオフィスが順番待ちをしていると考えやすいが、現実はそうではない。

 ビルは海外からのユダヤ人の基金で建てているところも多いらしい。建った新しいビルは賃貸料金が高く、入るオフィスはなかなかない。にもかかわらず新オフィスビルはどんどん立つ。テルアビブに住む誰もがおかしいと思っている。産業地域でも新しいオフィスビルの工事が行われている。まだ他のビルにかなりの空き部屋があるにもかかわらず、である。

 それらのビルは、おそらくITバブルで栄えているころにビルを建てる契約をしたのだろう。しかし、今はイスラエルの経済は非常に難しい。よほどの逆転ヒットがない限り、上向くことはないだろう。イスラエルの経済が中東和平ロードマップとともに発展していくことを祈るばかりである。


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