エジプト・カイロ在住
鈴木眞吉
魅力いっぱいの砂漠観光
エジプトの代表的な観光に「砂漠観光」がある。砂漠の真ん中にあるオアシスを拠点に、鉄鉱石が表面に浮かんで黒々と見える黒砂漠や、石灰岩でできた鉱脈が風に削り取られ、砂漠一面が彫刻の森のようになっている白砂漠。それらは幻想的で魅力たっぷりだ。
白砂漠の真ん中や、オアシス付近での一泊は、夕日の美しさもさることながら、満天の星を心ゆくまで満喫できる。月が出ているうちは星の輝きも今一つだが、月もなく、一切の明かりがない中に浮かび上がる天の川はきれいだ。北斗七星、北極星、オリオン座など、知ってる限りの星座を探してそれを確認する。星座の種類をもっと知っていたら、楽しさも倍増しただろうに、と思うと残念でならない。
砂漠の夜はかなり寒く、昼間の炎天とは好対照。どこからやってくるのか、夜中にキツネがわれわれの食べ残したものをあさりにやってくる。朝起きると、足跡がくっきりと残されている。寝袋の付近にはスカラベ(糞転がし)の足跡も無数にある。日の出がまた格別だ。あたり一面が雪でも降ったように白く輝き始めるからだ。
旧約聖書に出てくる預言者モーセが四十日間断食したとされるシナイ山から、紅海に抜ける間にある砂漠は、米国のグランドキャニオンを思わせるような見事な山と谷が続き、幻想的な光景を見せてくれる。砂漠にもいろいろな顔があるものだ。