タイ・バンコク在住
内藤 毅
たばこは“大衆の敵”に
最近、日本に一時帰国して驚いたことがある。喫煙禁止のサインが出ている駅の待合室で電車を待っていると、後からやってきた勤め人風の男性が私の目の前で、ぷかぷかとタバコをふかし始めたではないか。周りには他にも何人かいたのだが、誰も素知らぬふり。駅の待合場所にかぎらず、禁煙のサインが出ている場所で、堂々と喫煙する日本人は少なくない。
それに比べると、タイでは厳しい措置がとられ、日本の基準をはるかに超えている。同国の衛生保健省は数年前から、駅やレストランなど公共の場所での禁煙を徹底してきたが、このほど違反者や違反店舗に対して数万円単位での罰金を設定。喫煙席とタバコを吸わない席を分ける「分煙」なども許さない。
また、テレビでの喫煙シーンも規制対象となっており、海外の映画やドラマで喫煙する場面が出る場合、画面にぼかしが施される。子供番組も同様で、日本製のアニメで登場人物がタバコをくわえるシーンにモザイクが入っている。もちろん、歩きタバコもご法度。
こうした政府の対応に、一部からは締め付けがきつすぎるとの声も上がっているが、タバコは健康の敵。嫌煙者の私にとってはもろ手を上げて賛成したい。ちなみに、タイで販売されるタバコには、「喫煙嗜好はあなたの健康を害し、肺がんなどの病気を引き起こします」と強烈な言葉が書かれている。