ドイツ・ベルリン在住
富田武史
キリスト教の互助の精神
五月末からベルリンで、超教派キリスト教会議が開催された。これまでは二年に一度、国家公認のカトリック教会およびルター派教会が教会会議を開いていたが、超教派としての会議は初めてだという。ドイツでは、キリスト教信徒の割合は三人に二人となっている。報道によると、三十万人以上が参加した。
ベルリンには無神論者が多く、市外からの参加者が大勢を占めたため、宿泊先が足りないという問題が発生した。それでも、ベルリン市内は「石を投げればクリスチャンにぶつかる」というほど、熱心な信者でにぎわった。
くしくも、同じ週末には、ドイツのサッカー・トーナメント決勝戦と最大与党の社会民主党の臨時党大会が開催されたために、ベルリンの市内は飽和状態となった。
そのため、ベルリン市は学校などの公共施設を参加者の宿泊のために開放したり、一般家庭の宿泊受け入れを求めた。「ベッドが足りません」というポスターが市内のあちこちに張られていた。
教会の礼拝などへの参加率と社会的信頼度は低下傾向にあるというものの、そこはさすがキリスト教国家。自主的に宿泊の場所を提供した家庭が続出し、野宿者は出なかった。困っている人を見れば助けようとする精神は、長いキリスト教の歴史の中で培われたものであると実感する。
(富田武史・ベルリン在住)