韓国・ソウル在住
京谷訓浩
「労使協調」の新しい波
五月二日から十五日まで行われた、釜山の貨物ターミナルでの労働組合によるストライキは、韓国の労働争議の激しさを国内外に知らしめました。
新聞によると、この労働争議による被害額は一億二千万ドル台とのこと。この期間の通常輸出金額が七億四千八百万ドルですから、実に16%を超える被害です。
韓国の労働争議は激しく、時には死者もでますが、近年になって労使協調をうたう、LG電子や豊山などの企業も出てくるようになりました。
LG電子は、労使間の団体交渉の場を労経協議会と呼び、今年の賃金交渉はたったの二時間で、賃金を6・6%引き上げることで合意しました。世界中の企業が労使協調のベンチマークとして注目しています。
LG電子の労使関係は、一九八七年と八九年に経験した二カ月以上にもわたる労働争議を通して、企業の倒産を目の前にした時に歩み寄りを始めました。このときの被害額は六千億ウォン以上でした。この後、経営陣は四半期ごとに経営情報を労組に公開し、また、経営陣が工場に出向く際には真っ先に労組事務室に立ち寄ったそうです。このような経営陣の歩み寄りに労組が心を開き、労使の協調が実現したのです。
まだまだ、韓国の労組全体が変わるまでには至りませんが、その中から世界に先駆けた労使協調の芽が出てきたことはとても希望に感じます。