米国・ニュージャージー州在住
アンダーソン京子
シンプルなキャンデー
ローリーポップと呼ばれるキャンデーがある。直径三センチの丸く平べったいあめ玉に十センチの柄がついたものである。あめの色は赤、黄、緑、オレンジなどがあり、柄は子供が食べながら転んでも安全なように紙の棒でできている。とてもシンプルなキャンデーであるが、長年飽きられもせずどこでもお目にかかれる。
特に小児科医院では受付に置かれ、来院した人は誰でも、自由に好きなだけ持っていける。主な目的は子供たちが注射で泣かなかったり、良い子にしていればご褒美としてもらえるものである。
また、銀行の窓口やカスタマーサービスのデスクなどにも置かれている。子供が大人と一緒に来れば、子供に「ローリーポップは欲しくないか?」と子供好きの銀行員は聞いてくる。
ローリーポップではないが、キャンデーが一般の事務所や客商売の店先や、レストランの出入り口には常に置かれている。
ローリーポップは子供だけでなく、大人も時々口にくわえて堂々と歩き回っている。郵便配達や宅配の人がそれを口に入れて配達している。届け先の人の前でもそのまま恥ずかしがりもせず、自然に会話を続け、仕事をしていることもあった。
五歳の娘は医者に行くと言うと、すぐローリーポップというイメージができているらしく、医者に行くのをいつも楽しみにしている。