イスラエル・テルアビブ在住
野中 直
イラク戦争に淡々と反応
フセイン大統領はまだ見つかっていないものの、イラク戦争によるイスラエルへの報復の脅威は去った。その間、イスラエルの人たちの反応は淡々としたものだった。新聞やテレビは毎日、戦争の実情を伝えたが、イラク西側のイスラエル向けミサイル基地が米英軍に制圧されたと知るや、ほとんどの人々が安心した。義務付けられていたガスマスクを携帯する人はその日から激減した。
外国人の方が避難勧告に敏感で、特に欧米人はかなり本国に帰ったようだ。日本大使館からも最高レベルの避難勧告が出されたが、最終的には自分の身は自分で守ってほしい、というスタンスだった。というのも現地の人と結婚した日本人がほとんどで、海外に逃げる人があまりいなかったこともあるのだろう。韓国からはビジネスとキリスト教関係の人たちが多く、大使館はエイラットにホテルまで手配してくれ、至れり尽くせりだったらしい。
ビジネスもその間、変わらずに行われていたが、やはり中東方面への不安から経済は相当下向きだ。この戦争が終わっても、米国が中東アラブ国家群に対して敵対意識をもっている限り、政情不安は変わらないだろう。それはイスラエルの宿命ともいえる。しかし長い間この環境に慣れている民族は決してあきらめないだろう。世界経済さえ冷え込んでいこうとする中で一発逆転を望まざるを得ない。