エジプト・カイロ在住
鈴木眞吉
後片付けをしない業者
エジプトでは業者は工事の後片付けをしない。日本では工事担当者が最後の最後まで後片付けや掃除をしてきれいな状態で依頼者に引き渡すのが普通だ。ところがエジプトでは、水道屋、ガラス屋、電気屋など、どの業者も例外なく工事のしっぱなしで、ごみを散らかしたまま帰ってしまう。
私は壁の塗り替えを業者に依頼する際、そのことを持ち出した。すなわち、最後まで後片付けをし、家具を元の状態に戻し、掃除をして値段はいくらにするかという交渉をした。また、契約書にその旨を書いてサインをもらった。
ところが工事が進むにつれ、ペンキが床の至る所についても、そのままにしておこうとの気配が感じられたので、責任者に約束の件を申し入れ、それなりの掃除をしてもらった。
また工事終了の連絡を受けて確認したら、家具やソファの位置の違い、じゅうたんの敷き忘れなど、各所に手抜きが見られ、完全に元通りにするまでは工事費を払わないと宣言した。すると、やっとこちらの指示に従って動き始め、なんとか九割方、元に戻った。
しかし、ペンキ屋が帰ってから再点検したら、電源のふたをしていない所が二カ所、ペンキの塗り直しをしていなかった所が二カ所見つかった。エジプトでは、女性は結婚後ほとんどが主婦になることが多く、掃除は女性がすべきものとの観念が広く行き渡っている。