ドイツ・ノイス在住
若山計雄
「夏時間」の時刻合わせ
寒くて暗い冬が終わり、春が訪れようとするこの時期、ヨーロッパでは冬時間から夏時間に切り替わる。ドイツの場合、三月の最後の日曜日に時計の針を一時間進め、十月の最後の日曜日には元に戻す。これによりエネルギーの消費を減らすことができると言われている。
ドイツに来た最初のころは、どのようにして切り替わるのか興味があり、わくわくしたものだ。しかし特別に騒ぐわけでもなく、一日は始まった。こちらではこの制度が定着している。
ちょっと面倒なのは、すべての時刻を変更しなければならないことだ。自動的に時刻を修正する電波時計が出回ってきたとはいえ、自分の手で変更しなければならない時計も多い。それにビデオや電話機、調理器などの時刻設定も変更が必要で、年に二回の行事となっている。
これを忘れると、大変な失敗をすることになる。何年か前、ある人と待ち合わせをした。いつも時間を守る人が、一時間近くも遅れて来た。ところが、申し訳ないというそぶりも見せず、よく遅刻する私が早く来ていたことを不思議がる始末。その日はちょうど夏時間に切り替わった日で、その人はそれを忘れていたというのが真相だ。
夏時間に替わると、日没が一時間遅くなるので、急に晩が明るくなる。北海道よりも北に位置するドイツでは、これからますます日が長くなり、いよいよ私の好きな季節が始まる。