マレーシア・クアラルンプール在住
高橋賢一
豪勢な「誕生会」に参加
先日、イポーに住む知り合いの家を訪ねた時に、九十一歳になる中国系マレーシア人(華僑)の誕生会に参加することになった。イポー市は、スズ関係で移住してきた中国系の億万長者が多いと言われる、人口五十万人のマレーシア第三の都市である。誕生会の会場は、街に遍在する広東料理の専門店。とにかく、中国系の人々は見えを張って大々的にやるとは聞いていたが、実際の規模を見て驚いた。
家族を中心として、なんと三百人を超える人々が集まっていた。招かれた人たちが特別なプレゼントを持っていく習慣はなく、三時間の間、ひたすら料理が運ばれてきて、飲む人は飲み、食べる人は食べるのである。ここでは、こんな規模の誕生会がごく普通に行われている。
最初は桃色のあんまん。“福壽康寧”の文字とセットで、舞台上の大きな桃の飾りと同じ色で縁起物だ。その後、計十種類ほどの皿が次々と運ばれ、それをつつき合う。隣人はビールやブランデーを次々と注がれ、それをどんどん飲み干し、食文化の豪快さに驚くばかりだった。
締めくくりは焼きそば。とにかく長いめんがいいそうで、長寿を約束する誕生会の定番ということだった。
また、帰りは酔いも覚めぬ中、皆そしらぬ顔をして車を走らせていくから、日本人から見れば、ここはまさにこの世の楽園かもしれない。