ドイツ・ノイス在住
若山計雄
断食よりもカーニバル
カーニバルといえば、ブラジルのリオが有名だが、寒い真冬のドイツでも行われる。全国的ではなく、マインツ、ケルン、デュッセルドルフで特に盛大に催される。
前年の十一月十一日にカーニバルの準備が始まり、一番盛り上がるのが、今ごろの木曜日から始まる最後の一週間である。イースター(復活祭)を基準に日程が決まるので、時期は毎年変わり、今年は二月二十七日からだ。
その木曜日は、女性は何をしてもいい日とされ、オフィスでは女性が一斉に男性のネクタイを切る。みんな、切られてもいいネクタイを締めてくるのだが、何も知らずに出張で来た外国人は大変な目に遭ってしまう。
ピークは月曜日で、銀行や会社は休みとなり、各地でパレードや仮装行列が行われる。パレードする側も見る側も、さまざまな衣装を着たり、顔に色を塗って大騒ぎする。キャンデーがまかれ、子供たちは大喜びだ。十字架にかけられたイエス・キリストが、三日後に復活したのを祝うイースター。その前の四十日間は断食の期間とされている。断食を始める前に、食いだめ、飲みだめするのが、カーニバルの意味らしい。熱心なカトリック教徒はアルコールや肉を断つと聞くが、今なお、断食の伝統を守っている人はあまりいない。でも、カーニバルの伝統だけは、ますます熱心に守り続けているドイツ人である。