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エジプト・カイロ在住
鈴木眞吉

「男性中心主義」の社会

 アラブ・イスラム世界の特色の一つに男性中心主義がある。イスラム教の教えでは男女平等で、女性にも離婚の自由、財産所有の自由がある(厳密には女性の立場が弱い)。その一方で男性と女性にはおのずと特質があり、女性は体力的に男性より弱く、男性によって守られねばならない存在だから、女性の一人歩きはいけないとか、タクシーに早朝や夜中、一人で乗ってはならないなどの考え方が徹底している。

 女性は子供を産んで育児をし、家庭を守っていくべきだと考えられている。最近、女性の権利拡大や社会進出、自分で結婚相手を探すなどの現代的な考え方が浸透してきたとはいえ、弱い存在としての位置付けは全く変わらない。

 社会は男性中心で、店の売り子や喫茶店、食堂での従業員、お茶の配達まで男性がやっている。官公庁でのお茶の出し入れ、接待も男性だ。この背景には、失業率が高く、女性に仕事を奪われては一家を養えない男性側の事情がある。一家は男性が養うべきだとの考え方が根強く、どんな仕事でも男性がやらなければ家族を養えないのだ。

 社会全体がどうして暗く重いのかとよく考えるのだが、一つには、女性の華やかさや笑顔が町じゅうにあふれていないことがある。雇用を拡大し女性も働ける社会にならないと、ぎすぎすした男性だけの暗くて灰色の雰囲気が晴れ上がらない。天気はほぼ毎日快晴なのに…。


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