米国・ニュージャージー州在住
アンダーソン京子
ニューヨーカーの精神
今回初めてニューヨーク市ブルックリン区に三週間ほど滞在した。映画やテレビで見てきた風景が目の前に存在し、不思議な思いにとらわれた。電車の鉄橋の下に道路があり、それに沿って小さな商店街と信号がいっぱいだ。
一番驚いたのは学校だった。校舎の一階、二階の窓はどこも頑丈な鉄格子が設置され、誰もこじ開けられない。制服の警備員が校舎の至る所におり、出入り口では警備員のデスクで受付をしないと中には入れない。
繁華街やレストラン、ファストフードのチェーン店にいると、さまざまな人々が毎日出入りする。ホームレスの人たちの物ごい、キリスト教会の献金集め、アジア系女性が腕時計や女性用下着を売り、アフリカ系の男性はぬいぐるみを売り、中南米の男性が靴下を売りに来ていた。地下鉄の電車の中では目の不自由な方がバイオリンで一曲演奏して、乗車中の人々からお金を集めていた。
そうした中で、不思議に思うことは、ニューヨークの人々はそういう人たちに、自然にお金を出すことだった。
子供たちであっても、自分が賛同することや感謝したり、良いと思った時には、手がすぐにポケットにいき、お金を出すのである。相手の背景のことは考えず、単純に今良いと思ったらすぐ行動し、助けたいという思いやりは、ニューヨーカーならではの素晴らしい精神なのかもしれない。