ドイツ・ベルリン在住
富田武史
爆発音で憂うつな新年
二〇〇三年が明け、「新年おめでとうございます」と言いたいところだが、日本人にとってドイツの新年はあまりめでたく感じられるものではない。
日本では除夜の鐘が一年間の汚れを洗い流してくれるような気分にさせてくれ、初もうでの神社参拝で新年に対する決意を固めることができる。
ドイツのニューイヤーの祝い方は端的に言えば、ひたすら爆発音をだすだけ。情緒のかけらもない。ドイツの法律では、花火類の販売は年末の三日間だけ認められ、使用できるのは大みそかと元日だけ。爆竹の使用に限っては、わずか数時間の短い時間内で使わなくてはならない。
そのため、限られた時間を楽しもうとする若者たちは街中に爆発音を響かせる。私は市の中心部に住んでいるが、零時の合図とともに、ものすごい破裂音を聞いた。その音と衝撃は、アパートに爆弾が投げつけられたのか、あるいはどこかで戦争が起こっているのではと錯覚してしまうほどだ。新年を迎えるに際して瞑想をしていたが、爆発音で雑念が入ってしまった。
元日は商店が全面的に休業のため、街は静まりかえっている。しかし、静かな外には無残にも花火の残がいがあふれている。道路は使用済み花火で赤く覆われており、戦争の跡にさえ見える。うるさくて眠れない夜を耐えて迎えた翌朝は、なぜか無事に生き延びることができたという感謝の心でいっぱいになった。