エジプト・カイロ在住
鈴木眞吉
寂しく感じる年末年始
エジプトの年末は、日本人にはかなり寂しく感じられる。エジプトは九割以上がイスラム教徒のため、クリスマスソングはどこからも聞こえてこず、クリスマスツリーも見当たらない。やっと欧米系ホテル内のツリーを見つけては、雰囲気を味わう程度である。大通り沿いの装飾品店で、クリスマス用品が並べられてはいるものの、なにかしらひっそりと目立たないよう、遠慮がちに売られている。
イブになってもクリスマスケーキは街に見当たらない。実はエジプトのキリスト教は、カトリックから異端宣告を受けた一派がコプト教をおこしたもので、クリスマスは一月に行われることもあるのだろう。
年始はというと、これまた行事は何もなく、日本人にとっては年の区切りがつかない、メリハリのない感覚に襲われる。日本では、大みそかには家族だんらんのなか、紅白歌合戦などを見て、除夜の鐘を聞く。初もうでに出かけては新年の誓いをして、おせち料理を食べ、年賀状を見てはお正月気分を十分に味わうことができる。
私はあまりにも寂しいので、年末年始は山か海に行くことにしている。山は旧約の預言者モーセが十戒を受けたといわれるシナイ山が圧巻だ。年末年始の山頂は、日本人や韓国人が登頂者の半分を占めるほど集まる。元旦に初もうでをしないと、どこか気がすまないと感じるのはやはり国民性のゆえだろうか。