モンゴル・ウランバートル在住
加藤誠也
「赤ちゃん入替り」の結末
以前、「出産直後に赤ちゃんが入れ替わってしまった」として、「五歳になった娘がそれぞれ、今まで育ててくれた親の元から、遺伝子検査の結果により認定された親の元へ行く」という裁判の判決が下された事件を書いた。
知的障害の娘を育ててきたダワージャブさんが訴えたことから始まったものだ。判決で娘を交換することになったプレブトヤさんは、当然上訴。さらに「育ててきた娘を手放せというなら、私はダワージャブさんが育ててきた娘と私の娘二人を引き取り育てます」と訴えた。
両者の主張がぶつかりあってきたが、とうとう「今まで通り育ててきた娘を、これからも娘とする」という和解が十一月末に成立した。
ダワージャブさんは、「お互いに憎しみを生み出すような対立は、私たちの娘のためにならないので終わらせたい」とコメント。プレブトヤさんは「私たちは、今ともに新しい大きな家族となった」と述べた。
和解後、国営テレビで、両方の家庭と親戚が集い、パーティーをしている模様が放送された。ぶつかり合った二つの家庭が今「新しく一つの家庭として出発する」ことを誓い合ったその姿は、多くのモンゴル人に争いを超えて、和解し愛し合うことのすばらしさを教え、感動を与えた。テレビの司会者も涙ぐみながら、その様子を伝えていた。