ブラジル・マットグロッソドスル州在住
濱田純一
流行は浄水器ビジネス
ブラジル中西部のわが州は、南米大陸の中央にあたり、東はイグアスの滝に通じるパラナ川、西はパラグアイ川という二つの大河の間に位置する。と言っても、それ以外に大きな川は少なく、都市部の水源はそれぞれの地域を流れる小さな河川を主としている。当然川の水を浄化して水道水として使用しているものの、私の街では簡易浄水器のフィルターはすぐ茶褐色に染まる。最近では、全国的な浄水器合戦が盛んで、私の隣人も、その販売店に勤めている。
一年ほど前から“保険<HOKEN>”という看板を目にするようになった。最初は保険会社か、と思っていたのだが、よくよく話を聞いてみると、浄水器の販売店であることがわかった。
全国の責任者も、私の街の責任者もともに日系人で、買ってもらったら、今度は顧客を教育して下に四人ずつ紹介者をつけていく、ということで、どこかのマルチ商法と似ている。日曜日には十時間以上の講習会が活発に各地で開かれている。その他にも、“EUROPA”というメジャーなメーカーがあって、欧州移民の多いこの国の富裕層には好評らしい。
空気と水と土、この三要素が人間にとって重要と言われる。水が命とはよく言ったもので、人々の関心は高い。結石の患者もかなりいて、浄水の問題は、健康に直結するだけに、今後の行政側の対策が注目されている。