ドイツ・ベルリン在住
富田武史
「じゃがいも人」の国家
ドイツは言わずと知れたじゃがいも王国だ。じゃがいもを多く食べることから近隣諸国などからは「じゃがいも人」などと呼ばれることもある。大きなスーパーでは十種類以上のじゃがいもが売られていて、どれが何なのか日本人の私には区別がつかない。
値段もピンからキリまであり、一番安いので一キロ三十円ぐらい。高価なものは中が赤らんでいて、さつまいもに似た甘さがある。
じゃがいもの食べ方は人それぞれだが、フライドポテト、マッシュポテト、ゆでポテト、バター炒め(日本ではジャーマンポテトと呼ばれていると思う)などが主流。中でも、脂っこい炒め料理は人気がある。
最近では、国際料理の進出が目立つが、私の知る限り、じゃがいもがないと生きていけないと考えるドイツ人は多い。
そんなじゃがいも王国のドイツに先日、衝撃的なニュースが流れた。研究の結果、フライドポテトやポテトチップスから多くの発がん物質が検出された。高温で揚げたじゃがいもにはアクリル酸が発生し、特に茶色に焦げたものが危険だという。
このニュースにあるドイツ人はショックを受けたようだが、開き直ってこう言った。「人生からじゃがいもを取ったら、人生の楽しみが半減するよ」。じゃがいも料理に人生の価値を見いだしているようだ。その気持ちは毎日お米を食べる日本人にとって痛いほど分かる。