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タイ・バンコク在住
内藤 毅

やっかいな灯篭の処理

 ロイクラトンはタイの灯篭(とうろう)流し。毎年、旧暦十月の満月の晩となると、老若男女は川辺や運河、海岸に灯篭を流し、水の神様に今年一年間の農作への感謝をささげるとともに、来年の加護をお願いする。ロマンチックなこのお祭りははるか昔、十三世紀のスコータイ朝から続く伝統行事で、首都バンコクでは例年、王宮前の広場や主な運河で大きな催し物が開かれ、この夜はひどい渋滞が発生する。

 さて、このロイクラトンで大きな問題となっているのが、灯篭に使われる発泡スチロールだ。かつて、灯篭はバナナの葉っぱでできた台座に神の飾りをつけたものが使われていたが、近年は安上がりで作るのに便利な発泡スチロールが台座に使われている。しかし、便利な半面、流された灯篭がゴミと化すと、スチロールはやっかいな代物になる。

 毎年、この行事が終わると、川面や運河を清掃する業者らは膨大な量の灯篭回収に、これまた膨大な時間をかける。そのほとんどが発泡スチロールを使用しているため、単純に焼却処分にするわけにはいかない。また、川や海に流された灯篭は回収されないものも多く、環境破壊につながりかねない。

 こうしたことから、政府や環境保護団体などは発泡スチロールの使用自粛を呼び掛けているが、なかなか隅々にまで行き渡っていない。この灯篭流し、実に“困りもの”なのだ。


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