モンゴル・ウランバートル在住
加藤誠也
赤ちゃん“入替り”事件
モンゴルの新聞はこのところ、「赤ちゃんのとり間違い」で騒いでいる。「五歳の娘は、実は出産直後、同じ日に生まれた別の赤ちゃんと看護士が間違え、入れ替わってしまった」というものだ。
ある夫婦が、「他の夫婦の元に行ってしまった私たちの本当の娘を返してほしい」と裁判所に訴えたのだ。ちなみに、夫婦が育てていた娘は知的障害を持っていた。地区裁判所は夫婦の訴えを認め、娘が入れ替わることになった。
判決で障害を持つ娘を本当の娘とすることになった夫婦は、当然不満を表している。「血統的に障害者はいないし、娘が入れ替わったというのなら、どうしてその時言わなかったのか。それにこの子が障害を持つようになったのは、無視されて育てられてきたからだ。親子の心情を引き裂くとはどういうことか」と反論している。
一方、この夫婦から離れることになった娘は、「別の親もとになんか行きたくない。もしもそうなったらその家から逃げ出す」と訴えている。
遺伝子調査の結果、裁判所は判決を下したというが、正直、この結果がどれだけ信用できるものか、少し疑問を感じる。この国ではそれだけの設備を備えている可能性が低いからだ。
この問題は上訴されることになっているが、親子の心情に関するものだけに難しく、また悲しい裁判闘争となっている。